予防歯科
「歯医者さんは痛む歯を治療してもらうところ」というイメージが強いのではないでしょうか?
このイメージは決して間違いではありませんが、最近では「定期的にお口の状態をチェックして、むし歯や歯周病などの早期発見や健康維持のためのメインテナンスをするところ」というイメージに徐々に変化してきています。
予防歯科は、むし歯や歯周病などのお口に関するトラブルを予防し、健康な状態を維持するための歯科診療のことです。
お口の中が健康になれば、虫歯や歯周病にはなりません。
虫歯の治療をしてしっかり歯を磨いても虫歯ができやすい方は、予防歯科で大切な歯を守りましょう。
リスクを把握し、一人ひとりに合った予防ケアを
虫歯や歯周病になった原因が違えば、予防法も違います。
そこで当院では、お口の中の環境や体質を把握するためのさまざまな検査メニューを導入しております。
ご自身の状況を正しく把握することで、自分に合った予防法を知ることができます。
口腔細菌検出装置orcoa(オルコア)
「口腔細菌検出装置orcoa(オルコア)」は歯周病菌の親玉であるポルフィロモナス・ジンジバリス(通称P.g.菌)を測定することができるPCR装置です。
P.g.菌とは、歯周病菌の種類の中でも最も病原性の高い菌といわれ、この菌が多く存在すると、治りにくい歯周病になったり、比較的若いうちから歯周病になったりすることがわかっています。
最近の研究では、このPg菌は歯周病を引き起こすだけでなく、全身にも悪影響を与えることが明らかになってきましたので、県債によりこの菌が見つかった際は注意が必要です。
従来、歯周病菌の遺伝子検査は外部の検査機関に依頼する必要があったため、高額かつ検査結果が届くまで1週間以上かかってしまうというデメリットもありましたが、口腔細菌検出装置orcoa(オルコア)は約45分で検査結果がわかりますので、その日のうちに結果を知ることが出来ます。
検査方法は歯間ブラシでプラークを採ったら、専用液に付けてフタに塗り付けて閉めるだけ。
採取時にもほとんど痛みがない検査なので、どんな方にも安心してお使いいただけます。
唾液検査システム「シルハ」
シルハは口腔内環境に関わる6つの項目を唾液だけで簡単に検査するシステムです。
唾液検査により、お口の中の情報を数値化することで、目には見えない虫歯・歯周病リスクを把握することができます。
お水で10秒間口をすすぎ、すすいだ水を機械にセットするだけの簡単な検査です。痛みもなく、最短5分で結果がわかります
唾液検査でわかること
むし歯菌
むし歯菌の項目では、口の中の虫歯原因菌の活性度を測定できます。
活性度が高いと、菌が活発に活動しているということを表しています。
虫歯がある方でも、菌が活発に活動してなければ、数値は小さくなります。
酸性度
酸性度では、歯が溶けやすい状態かを見ています。
口の中は、食事などにより酸性になり、歯が一時的に溶けた状態になります。
酸性度が高いと、溶けた状態が長くなり十分に元に戻らなくなります。
緩衝能
食事などの影響で酸性になった口の中は、唾液の緩衝作用で中性に戻ります。
酸で溶けた歯もそのとき元に戻ります。緩衝能が低いと、中性に戻る力が弱く、歯が元に戻りづらくなります。
白血球
菌の繁殖などで歯ぐきや口の中がダメージを受けると、そこに炎症が起きます。
炎症が起きると白血球が増えるため、白血球の数値が高いと、口の中のどこかがダメージを受けている可能性があります。
タンパク質
この項目では、口の中のタンパク質の量を見ています。
歯周病などで口の中が出血すると、血液中のタンパク質が口の中に出てきます。
また、繁殖した菌が作り出すことでもタンパク質は増えるため、口のトラブルの指標になります。
アンモニア
アンモニアが多いと口の中の細菌も多い傾向があるため、アンモニアの数値は口のキレイ度を表す指標になります。
また、口臭の原因にもなり、この数値が高いと口臭も強くなることがあります。
ワンランク上のクリーニング「エアフロー」
当院ではクリーニングの際、エアフロ―という機器を使用して歯面清掃をおこなっています。
エアフローは、超微細のパウダーを強力なジェット水流で歯に吹きつけて汚れを落とす器具のこと。歯の表面に付着した頑固なバイオフィルムやたばこのヤニ、茶渋などの着色汚れも隅々まで落とすことが可能です。
研磨剤を使用しないので歯や歯肉を気付つけにくく、歯に優しいクリーニング法と言えるでしょう。
従来の器具では完全に落とせなかったバイオフィルムを完全に落とし、歯や歯茎にダメージを与えずに汚れや着色を除去することができます。
使用後は、歯の表面がつるつるになるため、汚れの再付着も防いでくれます。
当院で行っている予防歯科メニュー
クリーニング(PMTC)
PMTCとは、プロフェッショナル・メディカル・ティース・クリーニング(Professional Mechanical Tooth Cleaning)と言って、専門家による機械的な歯面清掃のことです。
毎日隅々まで磨いているつもりでも、どうしても歯ブラシの届きにくい所や汚れの溜まりやすいところが出来てしまいます。
そのような部分から虫歯や歯周病が進行してしまうのを防ぐために、特別な訓練を受けた専門の歯科衛生士が専用の器具を使って徹底的にお掃除します。
ブラッシング指導
ブラッシング指導とは、歯磨きのやり方の指導のことです。
歯磨きのやり方なんて、教えてもらわなくても解ってるよ!という方もいらっしゃるかもしれませんが、実は、ご自身ではちゃんと磨いているつもりでも、プラークを落としきれていないケースがとても多いでのす。
また、歯並びや歯の状態は年齢を重ねると共に変化してきますので、その時その時のご自身のお口の状態にあったブラッシング方法をマスターする必要があります。
当院では、患者さまのお口の中の状態や、磨き方の癖なども考慮しながら、丁寧に指導させていただいております。
シーラント
シーラントとは、汚れが溜まりやすく虫歯になりやすい奥歯の溝の部分に、フッ素を配合した白いプラスチックを埋めることで、溝に汚れが溜まるのを防ぎ、虫歯を予防する方法です。
特に、6才臼歯(前から6番目の奥歯)は溝も深く、もっとも虫歯になりやすい歯ですので、この歯が生えてきたらシーラントによる虫歯予防処置を検討してみましょう。
注射をしたり、歯を削ることもありませんので、お子様への負担も少なく処置ができます。
フッ素塗布
フッ素とはミネラルの一種であり、自然界に多く存在する成分で、歯や骨にとって欠かすことのできない必須栄養素です。
フッ素には、歯の再石灰化を促進したり、歯質を強化したり、虫歯の原因となるさ酸の生成を抑制したりする効果があります。
歯質が弱くて虫歯になりやすい乳歯や生えたての永久歯を強くし、虫歯になりにくい環境をつくることが期待できます。